Upcoming exhibition



「M e m / o / r a n / d u m」(メモランダム)は母の若き日のノートを
見つけたことから始まった、母の覚書と今の私が描く絵との協働制作プロジェクトです。
今回の展示は私家本の作品集『M e m / o / r a n / d u m』シリーズの展示販売と、
同プロジェクトで新たに制作した作品を発表します。
ご高覧いただけましたら幸いです。
*在廊日などはSNSでお知らせいたします。
Instagram @aikohamao
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展覧会 「M e m / o / r a n / d u m」
会期/2026年6月12日(金)−28日(日)
会場/dessin 2F(目黒区上目黒2-11-1dessin) 

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「M e m  / o /  r a n /  d u m」(メモランダム)のシリーズは
今から50年以上も前に母が記したノートを、私が祖父の遺品整理中に
偶然見つけたことから始まった制作プロジェクトです。

長い間、本棚にしまわれたままだったそのノートには、
ピアノ教師になりたての母が、恩師からのさまざまな口伝えを走り書いた覚書がありました。

 「けんばんは自分の指です」 
 「暗譜していて音がわからなくなった時 すぐ楽譜を見たりして楽譜に頼るのでは
   なくできるだけ自分の力で考えて思い出すようにすること。
   そうすると新たな発見をしたりするし、鮮明になって頭によく入る」 
「ただ感じで演奏するのはしろうと。専門家であればその裏付け
   なぜそうしなければならなかったかわかっていなければならない」
 「指の良い状態を得る為の練習方法」

専門的なことが簡素に書かれた覚書は理にかなった内容で、
音楽に携わらない私にとっても、何かを生み出す上で本質的なことのように思われ
ノートに目が釘付けになりました。

そして、私なりの関わり方で母の覚書と交わって、メロディやハーモニー、
リズムに変わる造形を作り、その言葉と奏であってみたいと思うようになりました。

ノートの中の母の筆跡は、少し背中を押せばひとりでに動き出せそうに
前に進んでいく力が感じられ、私はその筆跡のままフレーズを拾い出して
さまざまな生き物と組み合わせて絵を描きました。
そしてその絵からさらにイメージを広げ、切ったり貼ったり足したり引いたりしながら、生まれた造形を音が流れていくように点から線につなぎました。

時を超えて4冊が互いに響き合いながら、ひとつの組曲のようになれるよう作り進めた昔の母と今の私の協働制作です。

<新作について>
昨年から約半年間、あるきっかけで利き指が不自由になった私は、
鉛筆の握り方、姿勢、支持体の大きさをはじめ、
絵を描くためのこれまでの「当たり前」をひとつづつ調整する中で
これまで頭と指先ばかり動かして描いていたことに気付かされ、
目標に執着すると身体も心も硬ばり、行き詰まる自分に
向き合わざる得なくなりました。

私は母の覚書『指が良い状態で動く為に』を道しるべに
〈E〉(Elephant)のイメージを自由に広げながら、
自分の体に備わっている変わらない心地よさを探り、思い出すことにしました。
2025年の秋からの記録です。 濱愛子